78CDR-3851 ※機械式録音編
きよしこの夜(上)
ヨーゼフ・モール(1792-1848) 作詞
フランツ・クサヴァー・グルーバー(1787-1863) 作曲
「きよしこの夜」は1818年12月25日オーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演された。クリスマス・イヴの前日、教会のオルガンが故障してクリスマスに歌う讃美歌の伴奏ができなくなり、グルーバーにギター伴奏の讃美歌を依頼した。用意されていた詩にグルーバーが作曲しこの曲が出来上がった。以降この曲はクリスマスになると世界中で歌われるようになった。日本語の訳詞は由木康(ゆうきこう)(1896-1985)によって書かれた。
復刻には「音のエジソン」
http://www.otono-edison.com/ SPレコード専用のMC型カートリッジ(3mil針)とコルグのNu 1 DSD録音機を使用した。
(1)エミール・ムエンチ(テノール)
VICTOR 16111B(U.S.) ドイツ語歌唱 1906年2月8日フィラデルフィア録音
エミール・ムエンチ(1866-没年不詳)はドイツ生まれのアメリカのテノール。
1889年からニュージャージー州ニューアークに住み、その後ホーボーケンに移った。1901年から1916年まで、177面のレコード録音を残した。
(2)オリーヴ・フレムスタッド(ソプラノ)
COLUMBIA 30708(U.S.) ドイツ語歌唱 1911年3月30日ニューヨーク録音
オリーヴ・フレムスタッド(1871-1951)はストックホルム生まれのソプラノ。
1911年から1915年に米COLUMBIAに20面のSPレコードを残した。
(3)エルネスティーネ・シューマン=ハインク(アルト)
VICTOR 6281(U.S.) ドイツ語歌唱 1911年12月7日キャムデン録音
エルネスティーネ・シューマン=ハインク(1861-1936)はチェコ生まれのドイツ系アルト。
アメリカに移住し大成功した。1903年米COLUMBIAに初録音。1906年から米VICTORに移り140面の録音を残した。
(4)ユリア・クルプ(メゾソプラノ)
VICTOR 566(U.S.) ドイツ語歌唱 1914年1月26日キャムデン録音
ユリア・クルプ(1880-1970)オランダの「ナイチンゲール」と呼ばれた卓越したメゾソプラノ。
1914年から1924年までに米VICTORに58面の録音を残した。
(5)エレナ・ゲルハルト(ソプラノ)
COLUMBIA 58246(U.S.) ドイツ語歌唱 1917年1月29日ニューヨーク録音
エレナ・ゲルハト(1883-1961)はドイツのソプラノ。
大指揮者アルトゥール・ニキシュ(1855-1922)に認められニキシュのピアノ伴奏でデビューした。これはアメリカ公演の際にニューヨークのCOLUMBIAのスタジオでの録音。
(6)フリーダ・ヘンペル(ソプラノ)
Edison Record 6714(U.S.) 英語歌唱 1919年4月3日ニューヨーク録音
フリーダ・ヘンペル(1885-1955)はドイツのソプラノ。
ヨーロッパとアメリカでオペラとコンサートの両分野で活躍した。これはアメリカ公演の際にエジソン・レコード(縦振動盤)に録音したもの。復刻にはステレオMM型カートリッジを横振動キャンセル接続して、3.5mil針で再生した。
(7)マリア・オルツェウスカ(アルト)
ザイトラー・ヴィンクラー三重奏団
Seidler-Winkler Trio
SCHALLPLATTE GRAMMOPHON 72823(Germany) ドイツ語歌唱 1922年頃録音
マリア・オルツェウスカ(1892-1969)はドイツのアルト。
1919年-22年にハンブルク国立歌劇場で活躍した。1932年録音の「バラの騎士」(ロベルト・ヘーガー指揮)の抜粋盤で、ロッテ・レーマン、エリーザベト・シューマンと共に出演していた。
(8)ルドルフ・デマン(ヴァイオリン)/カール・デヒェルト(チェロ)
/オットー・ウラック(オルガン)
VOX 6056(Germany) 1925年頃ベルリン録音
曲は教会の鐘の音で始まり終わる。ヴァイオリンのルドルフ・デマン(1880-1960)はウィーン生まれのヴァイオリン奏者。1918年-1930年にベルリン国立歌劇場管弦楽団のコンサート・マスターを務め、一方デマン弦楽四重奏団のリーダーとして幾つもの録音を残した。独VOXはSPレコード時代のレコード会社で、マイクロフォンを使った電気録音が導入(1925-)された後も機械式録音に固執し1926年に倒産消滅した。