78CDR-3603
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ長調作品125「合唱」
オスカー・フリート指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
ブルーノ・キッテル合唱団
ロッテ・レオナルト(ソプラノ)
イェニー・ゾネンベルク(コントラルト)
オイゲン・トランスキー(テノール)
ヴィルヘルム・グットマン(バス)
日POLYDOR 60073/9(独POLYDOR 66657/63と同一録音)
(1928年ベルリン録音)
(初期SPレコードのためノイズが多くあります)
オスカー・フリート(1871-1941)はベルリン生まれのドイツの指揮者。最初ホルン奏者だったが、フランクフルトで作曲家のフンパーディンクに作曲の薫陶を得、さらにベルリンでシャルヴェンカに師事した。1924年8月、独POLYDORにベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮してマーラー:交響曲第2番「復活」を録音した。SPレコード11枚組のこの曲のラッパ吹き込みによる世界初録音だった。この「第九」は電気吹き込みの初期の1928年に録音されたもの。ドイツ語歌唱による初の電気録音だった。以前は電気録音による世界初録音の「第九」とされてきたが、海外盤のワインガルトナー指揮ロンドン響とアルバート・コーツ指揮の共に1926年録音の「第九」が先行していた。フリートはユダヤ人で、自身社会主義者でもあったため、ナチスの迫害をさけ、それまで度々訪れていたソビエトに亡命し(1934年)その地で没した。この「第九」は今から約90年前のものだがけっして古さを感じさせない感動的な演奏である。