78CDR-3518
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36
エーリヒ・クライバー指揮
パリ音楽院管弦楽団
英 DECCA AK2272/6 (ffrr録音)
(1949年6月4-6日パリ、サル・ド・ラ・ミュチュアリテ録音)
エーリヒ・クライバー(1890-1956)はウィーン出身の20世紀前半を代表する指揮者の一人。指揮者のカルロス・クライバー(1930-2004)は息子。プラハ大学で歴史と哲学を学んだが、一方で指揮者への道を目指すようになった。プラハ音楽院で指揮法を学び、1911年に指揮者デビュー。1923年にベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任した。ナチスの台頭でベルリンの職を辞し、1935年に妻と当時5歳のカルロスらとアルゼンチンに移住した。1939年に市民権を取得し、ブエノスアイレスのテアトロ・コロンの首席指揮者に就任した。大戦後ヨーロッパに戻り、イギリス・デッカの専属となり各地の客演指揮者として活躍した。この録音はパリ音楽院管弦楽団を指揮したもので、フランスのオーケストラをこれほどみごとに統率しているのは類例がない。ffrr録音も冴えていてSP録音ならではの輝かしいサウンドが聴ける。大指揮者の隠れた名演である。