78CDR-3501
モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543
ブルーノ・ワルター指揮
BBC交響楽団
英 HMV DB2258/60
(1934年5月21-22日 ロンドン録音)
ブルーノ・ワルター(1876-1962)は生涯に交響曲第39番 K.543を3回正規録音したが、これは最初のもの。ドイツ出身の大指揮者ワルターはベルリンのシュテルン音楽院を卒業後ピアニストとしてデビュー、後に指揮者に転向した。1896年ハンブルク歌劇場で、当時音楽監督だったグースタフ・マーラー(1860-1911)と出会い交友を深めた。その後ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長、音楽監督を歴任した。1938年オーストリアがナチス・ドイツに併合されると迫害を避けてフランス、スイスを経てアメリカに逃れた。この録音はワルターがウィーン・フィルとレコード・デビューする(1934年10月)する直前イギリスのBBC交響楽団を指揮したもの。同時にブラームス交響曲第4番も録音された。SPレコードだが演奏は連続して途切れなく、2台の録音機を交互に回して収録されたことがわかる。上記のブラームスも同様である。おそらくBBC交響楽団の公開演奏会を収録したものと思われる。SPレコード一面ごとに演奏をストップする事がないため指揮者は何のプレッシャーもなく演奏に没頭している様が窺える名演奏。ここではSPレコードの各面は収録通りで編集していない。