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ドビュッシー:ビリティスの三つの歌(P.ルイス詩)
(1)パンの笛
(2)髪
(3)ナイアードの墓
忘れられた小歌(ヴェルレーヌ詩)より
(4)やるせない夢ごこち
(5)巷に雨の降るごとく
(6)木陰にて
古澤淑子(ソプラノ)
アンドレ・コラール(ピアノ)
仏デュクレテ・トムソン LLP 8718(17cm LP)
(1952年パリ録音)
ソプラノの古澤淑子は1916年満州の大連に生まれた。ソプラノの荻野綾子に師事して本格的声楽を習い、1937年にパリに留学した。パリでは大歌手でパリ音楽院教授だったクレール・クロワザ(1882-1946)ついて研鑽を積んだ。彼女は大戦勃発で帰国勧告をうけたが、パリに留まった。1944年ついに敵国人としてフランスを強制退去を命じられドイツを経てスイスに移り終戦を迎えた。戦後はスイス、フランスで活躍し1952年に帰国した。帰国後はフランス歌曲を紹介する「フランス歌曲研究会」主宰した他、後進の指導にも力をそそいだ。1975年に再びパリに移住し晩年をその地で過ごした。この録音は1952年の帰国直前にパリで録音された。17cmLPという短時間収録だが、SP時代に活躍したクロワザやジャーヌ・バトリ(1877-1970)の名唱と比肩する優れたフランスの香り高い歌唱がきける。フランスのレコード会社がフランス歌曲の録音に日本人の古澤淑子を起用したことは、いかに彼女が高い芸術境地に達していたかの証である。一部使用原盤に起因する音のヒズミと雑音がある。