78CDR-3483
※機械式録音盤(電気式録音以前)の復刻音源
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ブルーノ・ザイトラー=ヴィンクラー指揮
ベルリン新交響楽団
独 POLYDOR 69638/41
(1923年春ベルリン録音)
電気を使用しない機械式録音時代最後期の録音。指揮者のブルーノ・ザイトラー=ヴィンクラー(1880-1960)はベルリン生まれ、ピアノの神童と言われた。1907年にポリドールに入社、録音プロデューサーに加えて作曲、編曲、オーケストラ指揮、ピアノ伴奏のすべてをこなした多才な音楽家。この「運命」交響曲や交響曲第9番「合唱」を機械式録音時代にプロデューサー自らが指揮をしてレコードを残した。1935年にエレクトーラ社に移り、指揮者、ピアニスト、プロデュサーとして多くの名演を残している。その中で1937年に録音されたモーツァルト:歌劇「魔笛」の世界初録音では指揮者のトーマス・ビーチャムを補佐し、ビーチャムがイギリス本国に帰国中に指揮棒をとって一部録音したと伝えられる。またこのシリーズにあるジネット・ヌヴーの1938年録音の小品集(78CDR-3148)ではピアニストも務めている。この今から約90年前のドイツでのベートーヴェン演奏の響きに耳を傾けていただきたい。