78CDR-3375
ショパン:ワルツ(全14曲)
ディヌ・リパッティ(ピアノ)
仏 COLUMBIA LFX959/964(英COLUMBIA LX1341/6 と同一録音)
(1950年7月3-12日スイス、ジュネーヴ放送第2スタジオ録音)
(上記の日付は磁気テープから78回転マスター製作日)
ディヌ・リパッティ(1917-1950)はルーマニアのブカレスト生まれ。母親はピアニスト、父親はサラサーテ(1844-1908)やカール・フレッシュ(1873-1944)に学んだヴァイオリニストで、洗礼立会人は大ヴァイオリニストのジョルジュ・エネスコ(1881-1955)だった。ブカレスト音楽学校で学費免除の特待生で入学が許された。1934年のウィーン国際コンクールで2等賞になったが、この時の審査席にいたアルフレッド・コルトー(1877-1962)は結果に異議を申し立て審査員を辞職した。リパッティはパリでコルトーとイヴォンヌ・ルフェビュール(1898-1986)に師事、シャルル・ミュンシュ(1891-1968)は指揮法を教えた。また作曲をナディア・ブーランジェ(1887-1979)とイーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)に学んだ。リパッティは1950年12月2日スイスのジュネーヴで悪性リンパ腫のため33歳で没した。このワルツ集は死の年の夏、EMIの手配したテープ録音機を乗せたトラックがジュネーヴに赴き録音したもの。ヨーロッパではまだSPレコードが主流だったため、ロンドンのアビー・ロードのEMIスタジオでテープから78回転マスターがカットされた。LPで聴くリパッティよりはるかに輝かしいSPからのダイレクト・トランスファー。