78CDR-3198
ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
クレトリー弦楽四重奏団
ロベール・クレトリー(第1ヴァイオリン)
ルネ・コスタール(第2ヴァイオリン)
フランソワ・ブロー(ヴィオラ)
アンドレ・ナヴァラ(チェロ)
仏 DISQUE GRAMOPHONE W975/7
(1929年3月22日パリ録音)
クレトリー弦楽四重奏団のリーダー、ロベール・クレトリー(1891-)は、名チェリスト、ピエール・フルニエ(1906-1986)の師だったオデット・クレトリーの弟で、その縁で1924年に19歳のフルニエがチェリストの席にあった。クレトリーは作曲家ガブリエル・フォーレ(1845-1924)のピアノ三重奏曲作品120の初演(1923)にも参加した。また1925年のフォーレ追悼演奏会でフォーレの弦楽四重奏曲ホ短調作品121 を第1ヴァイオリンがジャック・ティボー(1880-1953)、第2ヴァイオリンがクレトリー、ヴィオラがモーリス・ヴィウー(1884-1951)、チェロがアンドレ・エカン(1866-1925)で弾いた。弦楽四重奏団にはフルニエの後任として1928年にアンドレ・ナヴァラ(1911-1988)が入った。フランス・コロンビアの専属だったクレトリー四重奏団がこのラヴェルを仏 HMVに録音したのは、フランス・コロンビアにはカペー四重奏団が録音したばかりだったからだ。この香り立つようなラヴェルはカペーの名演に比肩する。また18歳のナヴァラの雄弁なチェロも聴きものである。