78CDR-3178
機械式録音
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV 1004 より
「シャコンヌ」
イゾルデ・メンゲス(ヴァイオリン)
英 HIS MASTER'S VOICE D875/6
(1924年4月7日録音)
この曲の初録音。イゾルデ・メンゲス(1893-1976)は20世紀の前半に最も精力的に活動したイギリスの女流ヴァイオリン奏者。1910年、17歳で名ヴァイオリン教授レオポルド・アウアー(1845-1930)に師事するためにロシアのザンクトペテルブルグに向かった。アウアーには通算3年師事し教授の最もお気に入りの弟子になった。1913年、20歳でロンドンにデビューした。その時のプログラムはチャイコフスキーの協奏曲、ラロのスペイン交響曲に加えて、ベートーヴェンとブラームスの協奏曲の縮刷版だった。1916年から1919年には北米公演を行いアメリカのメジャーオーケストラのほとんどと共演し名声を高めた。レコード録音は機械式録音時代に、世界最初の録音になるベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、電気初期のベートーヴェン:「クロイツエル・ソナタ」、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番及び第3番がHIS MASTER'S VOICEにあり、室内楽はデッカに録音していた。この「シャコンヌ」の楽譜の隅々まで行き届いた柔和な表情は、女流ヴァイオリニストならではのもので、マイクロフォンを使わない録音がヴァイオリンの音を素直にひろいあげている。