78CDR-3093
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番ニ長調 K.537「戴冠式」
マグダ・タリアフェロ(ピアノ)
レナルド・アーン指揮
コンセール・パドゥルー管弦楽団
仏 DECCA TF141/4
(1930年パリ、ガヴォー音楽堂録音)
(注:原録音のオーケストラ音に著しい歪みがあります)
マグダ・タリアフェロ(1893-1986)はブラジル生まれ、サンパウロ音楽院を経て1906年13歳でパリ音楽院に入り9カ月後に一等賞を得た。その後コルトー(1877-1962)に師事した。指揮のレナルド・アーン(1875-1947)はベネズエラのカラカスに生まれ、3歳の時にパリに移住した。6歳の時に神童としてナポレオン3世の従妹マティルドのサロンにデビュー、ボーイソプラノでのピアノの弾き語りでサロンの寵児となり、作曲家ジュール・マスネ(1842-1912)の推薦で10歳でパリ音楽院に入学した。長じて美声と数カ国語をあやつる巧みな話術、豊かな教養で各界の名士、貴婦人たちと交友を築き、パリ・オペラ座の指揮者として活躍、またザルツブルク音楽祭でもモーツァルト指揮者として名声をあげた。この録音はベルエポックのスター二人によるもので、パリのモーツァルト演奏がどんなものだったかを知ることができる貴重なもの。残念ながら録音技術に欠陥があり音質が非常に悪い。だが他に聴くことができない歴史的モーツァルト演奏のためこのシリーズに加えた。