78CDR-3065
機械式録音盤(電気録音以前)
①モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219-第3楽章
②マスネ=マルシック編:タイスの瞑想曲
ジュール・ブーシュリ(ヴァイオリン)
ルイ・ディエメール(ピアノ)
仏 ZONOPHONE X77906/77913
(1906年パリ録音)
ジュール・ブーシュリ(1878-1962)はフランスのヴァイオリニスト。ジャック・ティボー(1880-1953)の2歳年上で、1892年に15歳でパリ音楽院の一等賞を得た。ちなみにティボーは1897年に17歳で一等賞を得た。モーツァルトの演奏を得意としたブーシュリだったが、病弱のため早い時期にコンサート活動を停止しパリ音楽院のヴァイオリン科の教授として後進を育成にあたった。録音は1906年、28歳の時に13面を残したのみで、これはその中の2面である。ブーシュリの弟子には、後にブーシュリ夫人となったドゥニーズ・ソリアーノ(1916-2006)、ジャニーヌ・アンドラード(1918-)、ジネット・ヌヴー(1919-1949)、ローラ・ボベスコ(1919-2003)、イヴリー・ギトリス(1922-)、ミシェール・オークレール(1924-2005)、ドゥヴィ・エルリー(1928-)ほかがいる。ピアニストの名前はレーベルに記載されていないが、ルイ・ディエメール(1843-1919)という説がある。ディエメールはパリ音楽院のピアノ科の教授として弟子にコルトー(1877-1962)、リスレル(1873-1929)、カザドゥシュ(1899-1972)らがいた。ヴァイオリニストとしてのブーシュリは電気時代になってからは録音をしなかったが、愛弟子ソリアーノのために指揮棒を取ったモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番がこのシリーズ(78CDR-1031)で発売されている。