78CDR-3058
(古いレコードのため雑音大)
ヘンデル=ブルメスタ-編:
アリオーソ (2:37)
メヌエット (2:17)
ヴィリー・ブルメスター(ヴァイオリン)
ピアノ伴奏
独 GRAMMOPHON 47984/5
(1909年9月27日ベルリン録音)
電気録音以前の機械式録音。ヴィリー・ブルメスター(1869-1933)はハンブルグ生まれのドイツのヴァイオリニスト。ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)に師事し、1894年ベルリンでセンセーショナルにデビューした。1909年に録音した4枚8面のレコードだけで約100年後の今日に語り継がれている。ヴァイオリン教師として有名なカール・フレッシュ(1873-1944)はブルメスターのレコードを、メジャー演奏家の残した録音で、最もリズム感に欠けた生気のない非音楽的なものと酷評した。だがこの言葉は正しいだろうか疑問を感じる。盛大な雑音の中に潜んでいる澄みきった湖の底を覗くような透明なヴァイオリンの音色は、日本古来のワビサビの世界に通じるものがあるように思う。それは電気録音ではとても不可能と思わせる。ラッパ吹き込み(機械式録音の俗称)ならではの世界がここにある。ブルメスター1923年来日し公演の合い間に大阪のニットーに録音を残した。