78CDR-3032
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲ニ長調
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
シャルル・ミュンシュ指揮
パリ音楽院管弦楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB3885/6)
(1939年5月12日パリ、アルベール・スタジオ録音)
モーリス・ラヴェル(1875-1937)は第1次世界大戦(1914-1918)で負傷し右手を失ったオーストリアのピアニスト、パウル・ヴィットゲンシュタイン(1887-1961)の依頼で「左手のためのピアノ協奏曲ニ長調」を作曲した。初演はヴィットゲンシュタインのソロ、ロベルト・ヘーガー(1886-1978)指揮で1931年ウィーンで行われた。ヴィットゲンシュタインは力量不足で楽譜通りに弾ききれず勝手に手を加えて演奏した上にピアノがあまりにも難技巧のため音楽性がないと曲を非難した。そのため以降このピアニストとラヴェルの仲は険悪となった。楽譜通りの初演は1933年にジャック・フェヴリエール(1900-1979)によってパリで行われた。アルフレッド・コルトー(1877-1962)の演奏は、彼のあらゆる録音の中の最高傑作ではなかろうか。この曲はSP時代にコルトーを含めて3種類の録音があり、そのいずれもシャルル・ミュンシュ(1891-1968)が指揮をしていた。録音時コルトーは62歳だった。